▼ ライブ出演しましてん

最近、なかなか忙しくてですね。

ゲーム制作の現場では、クライアントに進捗を見てもらうとか、ゲームショウに出展するなどの理由で制作途中のバージョン、俗に云うアルファ版ってやつを必ず提出するんだけど、今作ってるヤツのアルファ版が15日に提出だって事を2週間前に知らされたんだから参った。
その2週間で、13日のライブの仕込みをやろうと思ってたのにー。
本来ならもっと余裕を持って提出するつもりだった曲群をマッハで作って、ソッチはなんとかカッコは付いたものの、ライブの仕込みの方がアレな感じになっちゃいましてね。

な訳で、8BIT MUSIC POWERリリース記念ライブのおはなし。
チップチューンのライブに出たのは「Chiptune Japan Tour 2006」と「Lo-bit Playground 8.0」だけで、両方とも9年10年前の話と相当なご無沙汰だったんだが、前者のライブでは前々日にLSDjが、後者は前日にNanoloopがそれぞれクラッシュしたっつー修羅場を迎えたんだから、今回はこれでも一番マシだったかも知れない。
つってもやっぱりステージ上では練習不足による失敗の連続で、狼狽しながらライブをやるいつものスタイルを披露するあたりはまるで成長ねえんですが。
まあそんな事はあったものの、楽しかったでしかしー、正味のハナシー。
ファミ通さんのインタビューを行ったのが8BMP発売の10日前で、その時に出た話では、どうもライブチケットがすでに半分以上売れているという。
まだ発売前の素性の知れないモノに対して、この集客ペースは異例だってみんな驚いてね。
案の定、前売も完売して、いざ始まってみたら暖かいお客さんばかりで有り難くてねい。
ただ、RIKIさんの出演するイベントに便乗させてもらう時には、「この中にサマーカーニバル烈火を知ってる方いますか?」・・・シーン「その作曲者のシオダさんです!どーぞ!」メッチャ出づらいやんけー!で、お客さんドッカーンっていう常套パターンがあって、その日も振ってきたから会心のツッコミを決めてやろうと構えてたら、皆さん烈火を知ってたんだから嬉しいやら、おいしいトコを逃した感やらで心中複雑になったりして。

しかし、いい日でした。ちょっと夢見心地になるような。
だって、楽屋にドットマン小野さんが居るんだもん。
以前、オールドナムコへの憧れをしたためたが、ギャラクシアンやパックマンの頃にゲームを好きになり、今回の8BMPではその頃の情景に思いを馳せた曲まで作ったオレからしたら、その夢中になって遊んだゲームを作った本人が隣にいるんだから、小僧に還らない訳がない。
だから大喜びでオールドナムコ話、ギャラクシアンのボスの不思議な形状の話とか、ギャラクシアンとギャラガの絵のコンセプトの違い、ラリーXとニューラリーXの機体の違い、そこから話がボスコニアンに飛んだりとか、そーゆー内容をむさぼり聞いたっつー至福の時間でしたよ。
それは、国本さんに対しても同様だ。オレはファミコンはあまりやってないんだが、それでも国本さんのファミコン曲って当時をリードしてマシタ臭がパなくて、あの音を聴いてると、日なたのリビングで幼い子供たちがコントローラーを奪い合う声までオレには聞こえてくるんです。
楽屋ではハットリくんの妙技の話ばっかり訊いてたけど、スターソルジャーとかもスゲーいいし。
やっぱり偉大な先人には、他とはちょっと違う憧れみたいなのが芽生えるモンらしい。
慶野さんはキラスタのイベントで一度会って(サインまでもらって)いるが、やっぱり心情としては前述のお二方と同様である。
今回収録された楽曲、Eight Bit Jungleについて「上モノが6拍(/8分音符)、リズムパートが5拍のポリリズムですか?」って訊いてみたら、忘れちゃったから後で譜面を見せてあげる、と云われたので、打ち上げの時に見せてもらったら、5+5+5/8なんて奇妙な表記してんの。
まあ確かに、辻褄は合うやねー。2小節ごとにコードが変わってくって事だからねー。
帰りも方角が同じだったから、やっぱりオールドナムコの話をいっぱい聞かせてもらった。
つーか、まさか、あの慶野さんと一緒に電車で帰る日が来るなんてねえ。
10年前、まだ大阪に住んでいたHallyちゃんがライブか何かのために東京に来た時に初めて会って、2人で月島に行ってもんじゃを喰ったんだが「まさか僕が、あのシオダさんとこうして2人でご飯を食べる日がくるなんて、未だに信じられません」なんて随分オーバーな事を云っていたんだが、まさか今になって同じ心境に陥るアラフィフですよ。

イベント終了後、アキバのパセラで打ち上げをしたが、まあ驚いた。
予約をしたRIKIさん、店側には(世間一般に知られていない)自分の名字と人数しか明かしてないハズなんだが、オレら一行が宴を開始するや、いきなり身に覚えのないケーキが運ばれてきた。

8bmp_cake.jpg

8BIT MUSIC POWERてー。何でバレたん?つーか、何で店の人が8BMPを知ってるん?
と思っていたら、店内のBGMまで8BMPにチェンジ。
コレはファミコンアルバムであって、それ以外の媒体でなんてもちろん出てない。って事は、店員さん自ら今日のために録音してきたんかー。スッゲー、パセラすっげえええ。
さすがに感激した。自分たちのやった事の大きさに気づかされた。
8BMPを作る事によって、ムチャクチャなリスクと対峙させられた。
バカになって夢を追って、失敗する事を恐れてないフリをしていたが、恐くない訳がない。
ってまあ、それはオレじゃなくて、RIKIさんの事なんですが。オレが云ってどーするっつー。
それでも普通に考えたら、時代的には全く有り得ないムチャクチャな作品を、ムチャクチャな価格で流通に乗せて、しっかり完売までさせてイベントまで大成功して、その先にこのサプライズだもん。
当然オレだってその日は酔うでしょう。まあ、一滴も飲んでないですがね。

ちなみに、打ち上げで特に話をしたのが、ヨナオさん、zunさん、並木さん、慶野さん。
不肖ワタクシめも一応、烈火の音楽なんぞを作ってますが、さっき楽屋でいっぱい話をしたのがスターソルジャーの作曲者で、今度はゼビウスとガレッガと東方とストラニアときた。
せっかくだから記念に一枚撮っておけばヨカッタなー。
[ Weblog ] ビデオゲーム
2016-02-21 18:23:19

▼ 8bit Music Power

宮本武蔵に出てくる、芍薬の話が好きでねい。

「剣聖」柳生石舟斎のもとへ、京で最も有名な剣豪である吉岡伝七郎が腕試しに来た際、面倒だからと芍薬を切って渡したところ、バカにすんなと怒って帰って芍薬も捨てちゃったので、石舟斎がアイツはまだまだだなあと見切りを付けていたら、後日その芍薬を偶然手にした武蔵が、これを斬ったのは一体誰なんだ?と訪ねてきたという。
道が極まった同志ともなると、何て事ない野草の切り口を見るだけでも凄味が伝わるらしい。
それは音楽も同じで、コレの疑似体験ぐらいなら若くて未熟でも出来る。
ずいぶん昔の話だけど、コンポーザーとして大好きな某氏がソロアルバムを出したんで早速買って、友達のこれまた凄腕のコンポーザー君に聴かせたら、モロ叩かれた。
確かにそのアルバム、某氏の従来の実力を発揮したとは云い難く、何て事ない曲群で構成されていたのは事実なんだが、一聴すれば才能の片鱗ぐらいは十分聴き取れる内容だった。
オレはお互いを同志と認めているだけに、片鱗を感じて欲しかったなあとちょっと寂しく思ってね。

とまあ、言い訳はこのぐらいにしまして、「8bit Music Power」がいよいよ発売になりましてん。



何が言い訳なのかっつーと、今回のオレ曲、ほぼ全般ドミソの3音しか使ってなくてですね。
(キーがFなんで正しくはファラドなんだけど、便宜上ドミソと云っておきます。)
高校の音楽の授業で、C F G7 Cっていう初歩的なコード進行に沿って、分散和音のみで4小節のメロディーを考えるという、なんちゃって作曲をやらされた事があった。
みんなは作曲の勝手なんて分かんないし、ただ適当に音符を並べてたみたいだけど、オレは自分なりに琴線に触れげな音符の配置を考えつつ提出したおかげで、先生から特別に褒められた。
褒められたっつっても所詮なんちゃって作曲の域なんで、別に偉くも何ともないんだが、今回の曲はあえて悪い云い方をすると、そんなレベルかも知れん。
ただ、オレもいい加減ベテランなんでね。
達観な御仁だったら、単純な曲の中に片鱗を見出だしてくれるだろう、という石舟斎ゴッコをやってもいいレベルにオレもそろそろ到達してないかしらん、なんて方向にも興味が行く訳で。
なので、個人的にはなかなか興味深い曲に仕上がったなあと。MMLの作り込みも頑張ったし。

コンセプトが「ファミコン実機によるチップチューンアルバム」なんで、ゲーム音楽とは構造の違うチップテクノにしよう、さらにファミコンという旧式音源らしくレトロ臭を少々醸せたら面白いかなーなどと考えた結果、前述のドミソで行こうっつーセンで落ち着いた。
ってのは、1980年前後のゲームサウンドって専門職がまだ確立されてなくて、プログラマーとかが音を作ってた時代なんで、オリジナル曲なんてせいぜいドミソ程度だったじゃないっすか。
サウンド面で一歩先んじていたナムコでさえ、ギャラクシアンのジングルは基本分散和音だし。
だから、この音源でドミソに専念すれば、その頃のイキフンに近くなるかなーって。
で、やってみたんだけど、例えば技巧的な作曲ってのは難しいっちゃあ難しいんだけど、オレ今いい仕事してるなあー、っていう安心感の中で作業を進められるメリットがある。
ところが、こーゆー単純な曲って作業中に不安感しか無えと来たもんで、過去に味わったのとは違う種類の難しさと対峙する事になったんだから、やっぱり音楽は深くて楽しいっす。

まあ、曲説としてはこんな感じでしょーか。
他のイベントとか取材で喋った内容とも被ってないと思うし。
ファミコン本体を持っていない方も、発売元のコロンバスサークルさんで互換機を出しているんで、この際買っちゃって下さいマシマシ。
あと、リリース記念ライブもやるんで、ゼヒゼヒ来ちゃって下さいマシカラニンニク。
2016-02-01 23:46:22

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