家の前に猫が座っている。

欧州風に云うと、うちのアパルトメントの階段の2階あたりをうろついていた奴だ。
猫が階段を上って来るなんて珍しいなーと思いながら出掛けたんだが、帰ってきたら我が家の玄関の前に鎮座していたんだから参った。
つーか、めちゃめちゃカワイイの。
こーゆー小動物に対する愛情など無かったオレに突然、只今をもちましてネコをカワイイと思うようになりマシタ的な瞬間が訪れたんだから、人間生きてみないとどう転ぶかなんて分からない。
このネコ、黄色と茶色のなかなか美しいチャトラで、とても落ち着いていて賢そうに見える。
しかも、わざわざ5階まで上がってきて、まるでオレを探していたかのように佇んでいたんだからカワイさも倍増だ。
ただ、気の毒な事に、このネコが探し求めたこの人間、猫アレルギーなんだよねえ。
うちの玄関にいくら張り付いたところで、招き入れてやる訳にはいかない。オレ死んじゃうもん。
可哀想だが追い払う事にしたんだが、さっき2階で会った時はオレを警戒して、若干逃げる素振りを見せていたクセに、今や少々威嚇したって微動だにしない。
人に懐いているのか、はたまたオレだけはスペシャル待遇なのか。
そんなところがまたカワイくてたまらんのだが、結局尻を押して無理矢理歩かせて玄関を開けた。
ネコはその隙間を狙って家に侵入するかと思ったら、その場で動かずにオレを見てニャーと鳴いた。
抱きかかえて家に入ってしまいたい衝動を何とか抑えつつ家に入った。これぞ大人パワーだ。
我が家にコドモがいたら、ネコ飼いたい飼いたいとゴネにゴネまくられていたに違いない。
こーゆー時ばかりはさすがに独り身でよかったと思う。

SR400を売ってしまった。
まだ買って一年数ヶ月しか経っていないバイクである。
メチャメチャ大好きで、あんまり欲しくて半ば強引に入手しただけに、非常に惜しい事をした。
なのに何故手放したのかと云うと、体質的にムリだったのです。
SR400というのはかれこれ30年前から存在する、とても美しいバイクである。
その美しい形状に見合った内容のバイクで在り続けるべきだ、という開発者やマニアックなユーザーのニーズにより、不要と思えるテクノロジなどはほとんど取り入れず、ほぼ設計当時の仕様のままで生き続けているんだから、形状のみならず生き様まで美しい。
だから、おそらく現在生産されているバイクの中で、最も振動が激しいバイクであろう。
こまめに点検しないと、走行中にボルトナットが外れるとまで云われる程の揺れである。
マニアに云われると「この鼓動こそがSRの醍醐味」なのだそうだが、オレには無理だったんだな。
オレは元来、体が痺れやすい体質らしい。
20歳の時に徹マンやって、3日ぐらい足が痺れっぱで困ったぐらいだ。
だからSR400の場合、例えば自宅から国立競技場とか日産スタジアム、等々力、三ツ沢まで行くだけで(サッカー観戦以外はバイクに乗ってない訳ではないので念のため)体がマヒしちゃう。
どれだけマヒしちゃうかと云うと、走行中にふと下腹が苦しくなった時に、現在催してるのはオナラなのかンコなのかの判別が付かなくなる程だ。
長距離を走る度にこんな、確率1/2のロシアンルーレットを体験させられるのは大いに困る。
せっかくツーリングに行きたくて買ったバイクなのに、こんなんツーリング以前の問題である。
まるで、猫大好きなのに猫アレルギーみたいな、そんな心境だ。
幸い、いとこが「ちょうどSRが欲しかったんだよね」と云っているから、譲ってやった。
走り去る後ろ姿を見て、チキショーやっぱSRはカッコイイなあー、と思わず溜息祭ですよ。

チェロを買って、3年と2ヶ月が経過。
その間、オレは特に先生を持つ事なく、自己流でやってます。
今まで楽器は基本的にそーやって習得してきたものの、チェロとかバイオリンってムッチャクチャ難しいから、習わずに自己流でやるのは無謀だと我ながら思いマス。
ただ、これはプロ的な考え方なんだけど、やっぱりいろいろ自分なりに考えて発見を繰り返しながら上達していった方が、思わぬところで見返りがあったりして、何より個性が出る。
だから、基本的な事はチェロの教則本とかビデオなんかを見つつ、いろんな演奏のコツなどの情報を収集しつつ今までやってきて、今んとこ順調に仕上がってきているとは思うのですよ。
思うのですが、ここへ来て思わぬ誤算が登場しやがりまして。
若い頃、野球をやって壊した右肩がまた痛みだしたという。
チェロとかバイオリンのボウイングってのは、基本的に腋の下を思いっきり開いて弾くんだけど、こーゆー動きが野球肩にはなかなか負担になる。
老後の楽しみに、と始めたローチェーなのに、思わぬリタイアの危機ですよ。
と云っても、ローチェーばっかりは売り飛ばしたくないもんなあ。
あんまり肩を酷使せず、休み休み弾きながら様子を見てみる事にするけど、場合によってはローチェーも諦める事になるかも知れないという、悲しい現状であり。

完全に戯言ですが、最近急にエレキベースが欲しくなったのを、大人パワーで何とか諦めた。
ミュージックマン・スティングレイ23万円。こんなペースで浪費を続けられっかってんだ。